むしろ嬉しい。
ただ、恥ずかしいだけ。
『そう?と、桃姫……、こ、声だけでもお、落ちつ、く……からっ』
「ん?声だけでもつくから?」
なんて言った……?
『ななな、何でもないっ!』
「そ、そうですか?せ、先輩も、顔は見てないけど、か、かかかっこい、……」
ああもう、カッコいいって伝えたかったのに、噛みまくった!
さっきの先輩みたい……。
『ん?かっこう?』
「な、何もないです」
あんな恥ずかしいやつ、もう言うの無理っ!
さっきの私の勇気すごい!自分で言うけどっ!
「あの、先輩、エイプリルフールで、嘘言うの、私も楽しみなんです」
『え?そうなんだね。僕と一緒だね』
先輩と一緒ということにドキッと胸が高鳴る。
「は、はいっ」
先輩と、一緒……。
電話を切った後も、まだ胸の高鳴りがおさえられなかった。
下手にこの気持ちを打ち明けても、今の関係が崩れるだけだ。
だから、この気持ちは胸に秘めておこう。
そうやって思っていたけど、今どうしても伝えたいと思う自分がいる。
先輩が言われたことを逆に受け取るなら、嘘で告白できるかもしれないから。
それに、近づくだけで良いって思ってたのに、今はずっとそばにいて独り占めしたいと思っている。
人は、どんどん欲張りになってくっていうの、本当なんだな。
私、決めた。
エイプリルフールにこそ、素直になる。



