俺は、物心ついた頃から、ゆうがすきだった。



嫌なほど美人でモテて、少し押されたら折れちゃいそうな弱いゆうを、守るために、なんだってした。




近づく奴らには、俺の、ゆうだ、そう言いたかった。




ある日、俺たちが3か4の時、ゆうは覚えていないだろうけど、ゆうは誘拐されそうになったことがある。


俺は、警察を呼ぶだけで、自分では助けられなかった。


他の大人は、警察呼べて偉いね、そう頭を撫でてきたけれど。




…俺は、本当に、役立たずだ、そう思った。






その日から俺はずっと、自分を鍛えて、ゆうを自分で守れるようにと、頑張った。




ゆうの、光るような笑顔を守りたかったから。



ぎゅっと、ゆうの小さな手を、握って離したくなかったから。



すきな人のそばに、いたかったから。





中学になった俺は、罰ゲームにどハマりしてた。



ある日、俺は、罰ゲームとしてゆうに告白して、と言われた。

「したいけど一生できないこと」というお題に乗せて。



俺は、意気地なしで。告白することなんかできやしなかったから。

罰ゲームなんて言わせて、ご褒美を、あいつらはくれた。


あの日、言ったことは、心から思ってたことだ。

今も思ってる。


俺のゆう(すきなひと)はすごいんだ、って、自慢したくなるんだ。