熱いお湯を被れば、昨日の出来事がありありと脳裏によみがえってくる。 たしかな狂気に満ちた、あの時間。 「あーもう、やめやめ。 秋道さんなんか知らないもん」 ぶんぶんとかぶりを振って、リラックスすることに集中する。 なんでこんな時にまで、あのヤンデレモジャじじいのことを考えなきゃならんのだ。 シャンプーボトルをプッシュして 髪を勢いよく洗う。 ズキリと沁みた手の甲は、気にしないことにした。