目覚めれば朝だった。



あ…昨日、お風呂入ってない。


また朝シャン…パリッと人生数回目。



だなんてぼんやりとした頭で考えながらベッドをおりる。


重たい足取りで脱衣所まで行き、服を脱げば、そばにあった洗面台の鏡に自分の体が映った。




「…うわ」



首筋、デコルテ。

まるで模様のように、いくつもの執着の証が刻まれていた。


鮮やかな赤の中には黒く変色しているものもあり、ちょっとグロテスク。



「……」



朝から気分が悪くて、この時だけは見なかったことにしようと目を逸らした。