「忘れてません、ちゃんと覚えてました。だけどその日はクタクタだったんです!ちなみにその次の日もクタクタでした!」




つつかれそうな翌日のことも親切に教えてあげて、負けじと秋道さんに顔を寄せる。


すると、鼻先まで距離が縮まった秋道さんがパッと頬を染め、10センチくらい後ずさってしまった。



なにその珍妙な動き。



私たちのあいだに謎の沈黙が流れた。
秋の風が空気を取り持つように吹きぬけていく。




「……さびしかった」




つぶやいたのは、秋道さん。

プレゼント袋をぎゅっと握りしめている。