そして再び、くるりと新山くんに踵を返し、スタスタと歩き出してしまう。
「おいこら!待てっつーの!」
「うるさい。先生には茜ちゃん連れて帰るって許可取ってあるから新山くんが止めたって無駄だよ」
「はあ?平石は今俺と一緒に…」
「気安く茜ちゃんの名前を呼ばないでくれる?かわいー俺の宝物が汚れるんだけど」
「マジで何言ってんだお前」
「俺の言葉は茜ちゃんだけに通じればいーよ。この子以外死んだって消えたって構わないんだから。てかほんとーに鬱陶しいねキミ。さっさと柔道部行けば?」
歩きながらの押し問答。
口を挟む隙など無く、あっという間に校門まで来てしまった。



