「つーか最近どうだ?アキミチさんとは」
「仕事が忙しいみたいで全然会ってないよ。メッセージは欠かさず送られてはくるけど、顔は見てないかな」
あの人のことだ。
さしずめ、曲作りに没頭しているのだろう。
かなりの一点集中型らしいから。
私もあちら側からアクションがなければ基本自ら関わろうとはしないし。
(理由:犯罪一歩手前のアプローチをされているため)
なんだかあのゆるゆるヤンデレ秋道節が懐かしくなるほどお互いの生活が交わらなくなっていた。
「怖いくらい毎日が平和だよ。このまま何事もなく卒業まで漕ぎつけたいなぁ」
「平石、そういうのフラグになるからあんま言わねぇほうがいーんじゃねぇの?」
「え?そう?──」
新山くんに視線を向けた瞬間だった。
「せーんちゃん」
背後から、声とともにふんわりと抱きしめられた。



