「すぐ食べようとするのやめてください」 「じゃー逃げないでよ。上がって」 「……それ、私になにかいいことあるんですか」 「おれが溶けるほど愛してあげる」 「遠慮します」 見栄を張った純潔に危機が訪れそうなのを感じ体をこわばらせる。 すると、秋道さんは一瞬力を抜いたと思えば、私の肩を掴んでくるりと反転させてくる。 お互い向き合う体勢となり、がっつり視線が交わって やけに真剣なまなざしで見つめてくるから、目を逸らしたくなった。 「茜ちゃん、きいて」 「……」 「新しい曲できた」