病んだ心をつまびいて



腰に2本の長い腕。



巻きついて絡みついて

ぎゅうううと力を入れてくる。




「いかないで茜ちゃん」



おでこをうずめられる。


うしろから抱きしめられては、チョップもできやしない。




「離してください」

「やだ」


「………」

「上がってってよ、お菓子あるよ」


「こども扱いしないでください。私はもう立派なレディーなので」

「うるちゃい小娘。なに、もしや他のやつにレディーにさせられたとかじゃないよね」


「ふふふ」

「うそでしょ誰ぶっころす」



はむっと首すじの皮膚を噛まれる。