「もじゃ髪嫉妬魔ゆるゆるヤンデレジジイ」
「うわ口悪。なにそのアキミチさんのためにあるよーなボキャブラリーうける」
「あのひと、サイテーだよ。私が新山くんのこと好きだって気づいてるくせに…」
連絡先消しちゃうなんて
私の勇気をないことにしちゃうなんて
「さいてーさいてーさいてー!」
「荒ぶってるねぇ」
仁奈はケタケタと笑って私の頭を撫でた。
「でもさ、そんなにイヤならどーして関わろうとするの?」
「無視したあとが怖いから」
「そうかねー?なんか茜、アキミチさんのやってることは本気でイヤそうだけど、かまわれること自体はそんなにイヤがってるようには見えないよ?」
「……」
なんちゅー察しの良さだ、仁奈サンよ。
たしかに、かまわれることはイヤじゃない…かも?
あんな羊の皮を被った変態、シャットアウトしちゃえばいーのに
なんて思うだろうけど
私は秋道さんの"ある部分"に
心を掴まれてしまっているのだ。



