「茜ちゃんの指先ひとつ触れるだけで
おれは心臓が壊れそーになる。理性なんか無いも同然。パーンて弾けてきみの体に噛みつくかもしれない」
「……」
「わかる?わかってる?いまおれ半裸。
そんで、茜ちゃんは足枷付いてて逃げられないの。いつもの小悪魔ムーブするのはいいけど、もっと自分の状況を危惧したほーがいいよ?」
秋道さんの長い腕が足もとに伸びて、
枷をなぞった。
そーいやそうだ。
この人のゆるさに流されかけてたけど、私絶賛監禁され中だったんだ。
慣れって怖い。
冷静な自分がこわい。
「…それなら秋道さん」
「うん?」
「今ここで秋道さんにキスでもすれば
あなた心臓壊れて死んじゃいますよね」
「うん、しぬ」
「じゃあしますか?キス。
あなた殺して私は帰ります」
「ええ、こわいよ茜ちゃん。
ウェルカムだけど」
「うわやっぱ撤回」



