私に背を向けて
茜ちゃんなんかもーしらないってオーラ出しまくり。
めんどくさいなぁこの人。
なんて思いながら、広い背中にひとつ見つけたホクロをつついてみる。
「………なーに」
不機嫌顔で振り向く秋道さん。
「ホクロ、かわいいですね」
「…ホクロ?」
「はい。あるんですよ、ひとつ
孤島のようにぽつんて」
つんつん つんつん
続けていると、秋道さんは照れたように
「やめて」と私の手を掴んだ。
「あのね、
おれはきみのことが好きなんだよ」
「存じております」
「触られるとへんになる」
「いつも大胆に触れてきてるのは
どこのどなたでしょーかね」
「ちがう。おれからはいいの。茜ちゃんから触れられるのがだめなの」
でた、自分勝手理論。



