足元にひんやりとした感触。
ふと、毛布をめくれば──
私の両足首に足枷がつけられていた。
「ええ…っ」
さすがの私もこれには驚愕。
ジャラジャラとした鎖は、すぐそばの壁に繋がっていて、私の力じゃ絶対に外せない仕様になっている。
ん?
てか待てよ…
起き抜けでスマホにばかり意識がいっていた私は、あらためて部屋全体に視線をめぐらせた。
生活感のない質素なレイアウト。
端の方のテーブルに
パソコンとヘッドホンが置かれ
床にはギターやベース、アンプなどの様々な楽器や音響機器が転がっている。
だけどそれだけ、それしかない。
ていうか…そもそも私の部屋じゃない。



