病んだ心をつまびいて





「お願いだから!死ぬなんて言わないで!」

「離せよ。ならおまえが先に死ぬか?」

「もうやめてっ、愛してるなら、やめてよ!!!」

「黙れ!!!俺に求めんのなら、まずはおまえが死んで証明しろ!!!」





新山くんが私の手を振り払おうと乱暴に動かした。


ぜったいに、この手を離すわけにはいかない。




「いい加減にしろ!!!」




───ダァン!!!!!




地面が揺れる。


衝撃音と同時。
私の左手の甲に刃が突き立てられた。




耳の奥がキーンと鳴る。


声も出ないほどの激痛にさらされながら、私は、けっして目をそらさない。



「にい、やま、く……」



枯れることのない涙を、まばたきで散らす。



泣くな、平石 茜。

大好きな人を諦めるな。










「あなたと……生きたい」










歯を食いしばり、ひと息で包丁を引き抜いた。

大きな体に抱きつく。






そして、はじめてみずから


くちびるを重ねた。






「だいすき……大好きだよ、新山くん」




この言葉がどうか本心であるように。


あなたを愛する私の心がまだ生きていますように。



ただひたすら、祈る気持ちで見つめた。