病んだ心をつまびいて




「体育会系なさー。おれとは真逆なタイプ」

「……」


「ダメだよ。おれに全国のゴリラたちを抹消されたくなければそのタイプとやらを今すぐ『秋道さん』に変えて」

「じゃ、じゃあガテン系…」


「ほとんど変わってないじゃん」




「むかつく」と私の手をちょっと荒っぽくすくい上げ、薬指に歯を立ててきた。



──がぶ


咬まれる。




「い、いた」

「痛いのいやなら言って。隣に住む23歳の
お兄さんが世界でいちばん好きですって」



「私は噛みついてくるお兄さんなんか好きになりません」

「じゃーやめない」




そして本当に、私が観念するまで指を
あぐあぐとされ続け離してもらえなかった。





「んへへ、言質とったからね」



渋々復唱させられた愛の言葉を聞いて、にんまりする男。




私、この人間版大型犬にいつか食べられてしまうような気がします。