「頭がインスピレーションとケンカしててさ。音がうまく作れないの」
「…つまり仕事が詰まっていると?」
「そーそー。もーやだ仕事したくない。
曲作りたくない」
ぐりぐりとおでこを擦り付けられる。
大きな体からはほんのりとコーヒーの匂いがした。
「だから茜ちゃんに癒されにきた。
待ってたんだから暴れないでね。暴れたら噛むからね」
「噛むって…犬ですか」
「茜ちゃんの犬にならなってもいいかも。
なでなでしてもらえるし、くっつけるし」
「今だってくっついてますよ」
「おれはずーーっとくっついてたいの。
それこそ体の一部を接合したいくらい」
「こわいこわい…」
「ねぇおれやばいよ。茜ちゃんのこと好きすぎてやばい。いつになったら監禁させてくれんの」
「させません。そんなことしたら絶交です」
そう言えば秋道さんはビクッと反応して、
不満気に私を離した。



