病んだ心をつまびいて



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目が覚めたとき、自室のベッドで寝ていた。



夢だったのかと喉元をさすれば鈍痛。



鏡で映せば、首には包帯が巻かれていて



手首を染める外された結束バンドの赤い跡。



そして舌には、中心まで浸潤したような苺味が残っていた。




新山くんとの日々を取り戻すために飛び込んだ悪魔の住処。


情けなくなるほど、何倍にもやりかえされた。



「もう……どうしたら……いいの」



毛布にくるまり、目を閉じる。




ただ普通に過ごしたいだけなのに。


私が私であるかぎり、それは叶わない。



つらくて、くるしくて、自分の心臓の音すらイヤになる。



こんなに、誰かに愛されるとは思わなかった。



愛されたくないと、思うほど。


窒息すると、思うほど。