「じゃあ、これはなんなのかな」
スカートのポケットをまさぐられた。
取り出されたのは、潜めていたボイスレコーダー。
秋道さんの瞳にもう光はない。
真っ黒な眼球で鈍色の塊を見下ろし、電源ボタンを無慈悲に押しつぶす。
「次はスマホだね」
許可もなくスクールバッグを漁られ、端末を手にした指で当たり前のように画面のロックを解除されると
「用意周到。でも、その用意はひとつに絞ったほーがいいよ。数は分かりやすさに繋がるからね」
画面を、タップした。
「いけない子だ。おれに対しても、新山クンに対しても」
怒っている。
冷たい声から、伝わってきた。
「……っ」
私は言葉を失いながら、ベッドシーツの上で固まる。
自衛のため隠していたボイスレコーダー。
そして、スマホの録音機能も重ねて使用していた。
相手は秋道さんだから、いざというときに確実な証拠を残すため。
そう、思って、伏せていたのに
すべて……ばれていた。



