お互いだけを求め合い
お互いのためだけに命を捧げ
どちらかが死ぬときが、お互いの命の終わり。
だなんて。すべての言動が、願望が、彼の発信した事実だなんて信じたくなかった。
「私は新山くんが大好き……だい、すき」
何度も言い聞かせる。
声が小さくなって、消えていく。
風が吹き、私の髪から香るのはオレンジのにおい。
新山くんとおんなじにおい。
それはよろこびではなく、手をかけられたあの熱を思い出させるトリガーとなって襲ってくる。
「新山……くん」
どうしたらいいかわからない。
自分の気持ちが、わからない。
前みたいに戻りたいよ。
新山くんと楽しく話して、笑って、普通の恋愛がしたい。
そのためには……
「秋道さんと、向き合わなきゃ」
まっすぐ足が動く。
向かうは秋道さんの部屋。
たしかめたいこと、話さなきゃいけないことがたくさんある。
秋道さんの猛攻のせいで新山くんと恋どころではないのだ。
絶対負けない。負けないもん。



