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新山くんが満足するまでキスでめちゃくちゃにされたあと、どうにか解放してもらった私は帰路を歩いていた。
「ん……けほっ」
のどを押さえる。
まだ違和感が残っていて、じんじんした。
まるで新山くん自身を刻まれたみたいに、圧迫される感触が消えてくれない。
腫れたくちびる。重たいまぶた。
そして
「……っ」
最後、新山くんと別れる際に増やされた、新しいキスマーク。
そっと指でなぞってみれば、あの熱い吐息を思い出す。
痛みの中から甘さを引きずり出すような強制性のある行為に、私はされるがままだった。
蓋をすることをやめた新山くんから溢れ出る凶暴な愛。
出会った頃からひた隠していたのかとおもうと、なんともいえない気持ちになる。
「あーもう!よろこぶべきなのに!大好きな新山くんからこんなに求められてるのよ!」
どんなに言い聞かせても、否めない恐怖が鎮座していて、まったくどいてくれない。
正直……ものすごく怖かった。
またあんなことをされたらどうしよう。
考えるだけで悲しくなる。
私のことをずっと前から見ていた新山くん。
私のことを殺そうとした新山くん。
誰にも渡すまいと、クラスのみんなすら牽制してしまう新山くん。
そして、私の命すら、みずからの命に結びつけることを強く望んだ新山くん。



