お互いの気持ちが通じ合っていると認知したあの日から、まぁゴタゴタ修羅場はあったものの
向けられる言葉すべての糖度がどうにも高く感じてしまい、心臓に悪い。
大丈夫。
私はちゃんと、新山くんが好き。
怖いって思うのも、新山くんの愛がそれだけ大きいからなんだ。
突きつけられた狂気も、異常な想いも
ぜんぶ、ぜんぶ、私への好意であって……
「ち、ちなみにね、新山くん。もっとかわいいことを言ってしまうと」
「うん?」
「このヘアミスト、新山くんがいつも使ってる制汗剤とおなじオレンジの香りなの」
「え、そうなのか?」
新山くんが目をまたたかせた。
「すこしでも新山くんを感じていたいっていうか……ああ!やらしい意味じゃなくてね?新山くんの制汗剤の匂い、もともとすごく好きだったから、おなじにしたくて……」
本心だった。
大好きな新山くんのオレンジの香り。
爽やかなのに不思議と落ち着いて、ずっと包まれていたくなるんだ。
それに、この香りをまとっていれば新山くんへ抱いてしまう恐怖も緩和するんじゃないかなって。
今はすこし秋道さんによって触発されているだけで、時が経てばきっと波は過ぎていくはず。
これ以上狂気を悪化させないためには、私がいつもどおり新山くん大好き星人でいることが大切なんだ。



