『こいつは俺のものだ』
この体のすべてが新山くんのものだと、無理やりにでもわからせてくるような宣言。
見方を変えれば最強の保護だ。
新山くんの腕の中にいれば誰も傷つけようとはしてこない。
守ってくれるのも、想ってくれるのも嬉しい。
……けど、けどやっぱり、わかっていても恐ろしい。
喉が焼けるような愛に、心も体もついていかない。
みんなにも見られた。
一番見てほしくなかった、華凛にだって。
「せっかく大好きな新山と通じ合えたと思ったらこれだもんねー。やっぱ元凶は秋道サンでしょ。おかげで華凛にも目ぇつけられる始末だし」
仁奈の言うとおり、どんどん事態が悪い方へと進んでいっている。
いくら走っても私のうしろにピタリとついて離れない闇。
その闇に追いつかれた時……私はどうなっているのだろう、考えたくもない。
「でもさー、たとえ茜がビッチだとしても、ほかのやつらにはカンケーないことだよね」
「まぁね……あそこまでされる覚えはないよ」
脳裏に焼き尽く、誹謗中傷の文字が敷き詰められたいくつもの紙束。
思い出すだけで喉がつまる。
「ま、さしずめ華凛が扇動してるんでしょ。新山のこと奪られて躍起になってんのよ。バカらしー。いじめ煽る女なんて新山が選ぶわけないっての」
鼻で笑い、メロンパンを一口ふくむ仁奈。
ここまで言い切ってくれると、地を突き抜けた自己肯定感が少しだけやわらぐ。



