耳に聞こえてきたその名前に、ハッとまぶたを持ち上げる。
そこには、無表情に早瀬の腕をわし掴んでいる新山くんの姿があった。
「新山くん……?!」
「……」
新山くんは私の呼びかけに応えることなく、握る手の力をさらに強めた。
「いででで!!離せよ!」
「てめぇ……平石になにをした?」
低くざらついた怒気一色の声音。
理性を感じない新山くんの様相に冷たい汗が湧いてくる。
「べつになにもしてねーよ!
挨拶しただけだって!」
「ならどうして平石はこんなに怯えてるんだ?」
「知らねーよ!
ぜんぶ自業自得じゃねぇか!!」
「他責かよ?平石がてめぇになにか不都合なことでもしたのか?サル同然の脳みそには自分を省みるってコトがわからねぇみたいだな」
「んだと?!っ……てぇな!離せって!」
「いいぜ。この腕一本へし折ってから離してやるよ」
教室内がざわつき始める。
デジャヴだ。昨日となんら変わりない状況が出来上がろうとしている。



