病んだ心をつまびいて



「……どういうことなの?」

「それはこっちが聞きたいんだけど」



パシン!と1度目よりも強く頬を張られた。


交わった華凛の視線が、私のことを敵だと告げている。




「おかしくない?アンタ、"新山くんの連絡先は持ってない"とかほざいてた気がするんだけどなぁ?」


「それは……」


「茜の言ってること、なにひとつ信じられない」


「か、華凛っ」


「気安く呼ばないで、気持ち悪い。アンタみたいなウソつきで尻の軽い女、アタシが追い出してやるから」




華凛は私を鋭く一瞥すると、取り巻きたちと一緒に教室を去っていった。



力が抜けて、床にしゃがみこむ。



死亡宣告も同然だった。



うちの学年のヒエラルキーの一番上に君臨しているのはまぎれもなく華凛だ。


それはどんなに人間関係に関心がない生徒でも知っているであろう事実。


そんな人間を敵に回したら一体どうなるのかなんて考えなくてもわかる。