「茜だったんだ……」
「か、華凛、あのね」
「新山がずっと見てたのって、アンタだったんだ!!!!」
高い声が響き渡った。
彼女の叫びに、口から出かけていた言葉が引っ込んでいく。
ずっと、見てた……?
きっとぽかんとしているであろう私の姿に華凛はくつくつと喉を鳴らした。
「あれ?気づかなかったの?新山、ずーっと誰かのこと見てたんだよ。興味なんてないからアタシは名前すら知らなかったけど、あいつは確実にひとりの人間を見つめ続けてた」
「なに、それ……」
「羨ましかったなぁ。アタシはろくに認識されてなかったのに。新山に見つめられている人間は、一途に一途に想われてたんだもん。新山がどれだけ優しい目してたか、茜は知らないでしょ?」
部活一筋で恋愛なんて二の次だと思っていた新山くんの視線を一身に受け続けていた人物。
それが……私だというの?



