「ね〜え、茜、なんか顔色悪いじゃん。だいじょーぶ?」
ぜんぶわかっているくせに、華凛はわざとらしく私の顔をのぞきこんできた。
目が合った瞬間、肩を強く押され、背中が壁に叩きつけられる。
「拡散されたあの動画さぁ、本物なの?」
私を追い詰めるような眼光で問いかけてくる。
どう答えるべきか迷った。
仮に本物だと告げても、事態がいい方向に流れる気がしない。
「早く言えよ」
襟を乱暴に掴まれる。
その拍子であらわになった首すじを見て、華凛は眉をひそめた。
「……ホンモノっぽいわ。こんな派手なキスマーク付けちゃって、淫乱女」
軽蔑の色が浮かぶまなざし。
なにも言い返せない。
新山くん以外の男性に刻まれたモノという点はひとつも間違っていないから。



