『…これ、おまんじゅう?』
『え、はい』
『ふーん…』
いきなりのタメ口に戸惑う私。
どう見ても私より年上なのは分かるけど、こんな知り合いみたいな口調でこられるとは思わなかった。
ふるさとの有名なおまんじゅう。
秋道さんは読めないまなざしで
パッケージをそれはもうじーっと眺めている。
な、なにこのひと、なにこの時間。
いたたまれないんだけど!
『あ、あのぉ…』
『たりない』
『は?』
脈絡なしの言葉にマヌケな声がもれる。
が、秋道さんはそんなのおかまいなし。
『こんなおまんじゅうじゃ
おれの空腹は満たされない』
『は、はぁ?』
どう考えても、いや、まちがいなくそれはイチャモンだった。



