病んだ心をつまびいて



ぐるぐる思考を巡らせているうちに学校へ到着してしまった。



自分の下駄箱を開けると、中から大量の紙が溢れてきた。



「え、なに?」



足もとに散らばるそれには、真っ赤な文字が殴り書きにされていて




『ビッチ』『浮気女』『アバズレ』




あまりにひどい内容に言葉を失った。


すると、背後からヒソヒソと声が聞こえてくる。



「あれって平石茜だよね?」

「昨日の動画の人でしょ?よく学校来れるよねー」



振り向くことができない。


けど会話を聞くにクラスメイトではないことは確かで、昨日の出来事がすでに他クラスにも広まっている事実を示唆していることになる。



彼女たちだけではない。
いたるところから刺すような視線を感じた。
軽蔑という名の冷たい視線。



「……っ」



震える手で散乱する紙をかき集め、足早にその場を後にした。