しばらくして、枕元にあるスマホがバイブした。
おもむろに確認すると、その通知はお母さんからのメッセージ。
──『お母さん帰れることになったよ』
──『帰宅日がね、ちょうど茜の誕生日なの。なにかプレゼント買っていくね』
おもわず画面を凝視した。
本当に?お母さんが帰ってくる?
ひどく淀んでいた心が晴れていく。
12月25日
私の誕生日であり、きっとお母さんは仕事なのだと思っていたけれど、今年は一緒に過ごせるんだ。
「お母さん……」
会いたい、話したい。
頭を撫でてほしい。
スマホを胸に当ててぎゅっとした。
秋道さん、新山くん、お父さん。
向き合うべきものは絶えないけど、ここまできたら怯えてばかりもいられない。
「しっかりしないと……」
お母さんからのメッセージでどうにか気力を取り戻した私は、いくつも連なる目の前の壁を乗り越えられると信じてしまった。
ここからが、本当の終わりだとも知らずに。



