新山くんは味方でいてくれたんだよね……?
なのにどうして……ここには私ひとりしかいないような
恐怖で満ち溢れた空間に閉じ込められているような気分になるのだろう。
─どこにも逃げ場などない
そんな声が、頭の奥から響いてきた。
「俺も、平石のことを渡すつもりはない。
殺してでも手に入れる」
どこかで聞いたことのある、歪んだ愛の言葉。
秋道さんが目を見開き、そして、笑みを深める。
"やはり同じ人種だ"と言いたげな双眸がどんどん濁っていく。
「おまえと共に地獄に堕ちるのは、俺だ」
そう言い残し、新山くんは秋道さんの腕を乱暴に引いて帰ってしまった。



