「あんなに釘を刺したのに……もう忘れちゃうなんて……ずいぶん悪い子だね、茜ちゃん」
「……ん、んぅ」
「弁明は聞かない。きみは選択を間違えた」
「……」
「おれのものにならない。新山くんの告白も断った。つまり、茜ちゃんはすべてを放棄したんだ」
「……」
「残念だよ。最悪の結末を迎えることになりそうだ。おれだってこんなことはしたくないけど、脅しは執行しないと意味がない」
「……っ」
「愛する平石茜ちゃん
おれは、きみのことを殺しにきた」
──ゲームオーバーだ
包丁が高く振り上げられる。
命の終わりを悟った
その時──
「平石に触るな」
激しい音、そして恐ろしく低い声が空気を揺らす。
目の前で
新山くんが秋道さんのことを組み敷いていた。



