ひとり息巻いていれば、新山くんはどこか複雑そうな顔をしていて
「……俺、かなり嫉妬深いのかもしれねぇ」
「え?」
「今からそっち行っていい?」
返事も待たず、新山くんが私の方へやってきて、隣にドカリと座った。
制汗剤の匂いに鼻をくすぐられる。
肩同士がピッタリとくっつくような距離。
「に、新山く」
「俺のこと置いて、秋道と地獄行くの?」
「喩えだよ……?」
「なら俺が秋道のこと殺して、お前とふたりで地獄に堕ちるよ」
「ええ?!ダメだよそんなの!」
「なにがダメなんだよ。
お前といるためなら何だってするけど」
至極真剣なまなざしで恐ろしいことを言い連ねる新山くん。
どうしてしまったんだMyダーリン!(違う)
「平石」
「うう……ち、近いです」
「拒否んなよ」
顔を逸らそうものなら頬を捕まえられて前を向かされてしまう。
あきらかに新山くんの様子がおかしい。
自惚れでなければ、な、なんか甘い。
「平石」
「は、い」
「他の男と喋んな」
「え」
「てか俺以外の人間と関わらないでほしい。誰にも見せたくないっつーか……俺だけ見てればいいし……くそ、どっか閉じ込めたい」
伸びてきた腕に抱きしめられる。
本当に私を閉じ込めるみたいに、大きな体に覆いつくされてしまった。
大好きな新山くんの温もりが、私の体温と混ざる感覚。
心臓が破裂しそう。
これは夢?
あまりに信じられない状況に頭がバカになってきた。



