病んだ心をつまびいて



「仁奈っていいます。面食いのチャラい女の子。けどすごく優しくていいやつです」


「新山くんとは正反対のタイプだね」


「たしかにそうですね。
仁奈が男だったらつるんでなかったかも」




いやこれなんの話だ。
お父さんはこんなことが聞きたいのか?


私の疑問などつゆ知らず、アズマさんは楽しそうに頷いている。




「そろそろ最後にしようか。
茜ちゃん、ここ最近でなにか違和感とかはなかった?」


「違和感ですか?」


「日常生活の中でいきなり頭が痛くなったとか、変な夢を見るとか」




その問いに、ひとつだけ思い当たる節があった。




「変な夢は……頻繁に見ます。
内容は忘れてしまうけど、すごく怖い夢」




目が覚めたときの滝のような汗。


からっぽの意識に漂うおぞましい余韻。



なにか原因があるとは思っていたけど……もしかしてアズマさんは心当たりがある?