近寄っては逃げるの不毛な応酬。
最終的にはのろのろ動いていた秋道さんのやたら気持ち悪い俊敏な動きへの切り替えが軍配をあげ
私はふたたび腕の中へと閉じこめられてしまった。
大人とは思えない甘えタイムがはじまり、この人の執念に諦めが勝った私はされるがままでいることにした。
「ふふ、しあわせだ」
「そりゃよかった」
「苺クッキーありがとー、茜ちゃん」
「どういたしまして」
「茜ちゃんの苺クッキーがいちばんすき。世界でいちばん好きだよ」
「うれしいことですね」
「ちなみに茜ちゃん自身のことも世界でいちばん好きだからね」
「いちばんをふたつ出すのはルール違反では?」
「あ、間違えた。
世界でいちばん愛してるだ」



