音の粒が一つ一つ私を迎え入れる。



温もりすら感じる声に抱きしめられて、無意識にまぶたを閉じていた。



まるで、身に降りかかる悲しみすべてを優しく容赦無く払い落としてくれるみたい。



大丈夫、大丈夫と背中を撫でられる。



あったかい…落ち着く……




もう何度秋道さんの歌声に慰められただろう。


秋道さんが歌い続けるかぎり、私は死んではいけない。


死にたくない。



この唄さえあれば…私は…… 




思考がまどろんでいく。



愛おしい世界の中で、意識を手放した。