「ねね、茜ちゃん」

「なんでしょう」


「おめでとうって、もっかい言って」

「おめでとうございます」


「もっかい」

「おめでとうございます。秋道さん」


「次は"世界でいちばん愛してる"を加えてみよう」

「調子に乗らないでください」




秋道さんの脇腹にチョップを入れて腕の中から抜け出せば、不満そうにもう一度腕を伸ばしてくる。


捕まるまいと避けたら今度は拗ねたような顔をして体ごと近づいてきて。




「逃げるな小娘」

「セクハラですよオジサン」


「おれの体は茜ちゃんを抱きしめないと死んじゃう造りになってるの。死活問題なの」

「病院への受診をおすすめします」