病んだ心をつまびいて




呼吸が止まった。


新山くんの口から、ありえない言葉が出た気がして……




そのとき、先生たちがバタバタと教室に入ってきた。



「新山おまえ!
女子相手になにやってんだ!?」



柔道部の顧問の先生が来てくれたらしく、すぐに新山くんを取り押さえ、私から距離をはなす。


しかし新山くんの視線はじっと私に注がれたままだった。




「平石」

「新山!聞いてるのか!」

「平石、平石」

「おい!」

「平石っ」



 
目の前の私しか見えておらず、周囲の声など聞こえていないかのように私の名前を呼び続ける彼の様子に恐怖を感じてしまった。


先生の腕を振りほどこうと体を動かし、今にも飛びかかってきそうな緊迫感。


いやだ、新山くんまで怖いと思いたくないのに。