「つーか平石…ソレなに」
うつむく私に、低い声が落ちてきた。
それには、あきらかな怒気が含まれていて
「首もとのソレ…あいつに付けられたのかよ!!?」
新山くんの怒鳴り声が教室に響き渡った。
クラスメイトたちの視線が一気に集まる。
「ちょっと」と仁奈が制するも、新山くんの鋭い眼光は私の首もとだけに注がれていた。
「言えよ!あいつに何された!!」
おもいきり襟元を掴まれる。
仁奈に首を見せたあと、第1ボタンを閉じるのを忘れていたせいで、新山くんには丸見えだったのだろう。
乱暴に襟を引っ張られ、コンシーラーで隠していない鎖骨の痕まであらわになる。
それを食い入るように見る新山くんの瞳孔は恐ろしいほど開いていた。
「無理やりか?それとも合意の上か?」
「新山く、いたい…」
「さっさと答えろ!!!」
怒声が空気を揺らす。
こんな新山くんは見たことがない。
いつも落ち着いていて、口調だって優しいのに。
その双眸にはメラメラと激情が燃えていた。



