「平石?」
「……えとさ、昨日はごめんね。
練習途中だったのに……秋道さんが、その……」
「あぁ、べつに。お前が謝ることじゃねぇよ。俺こそ守ってやれなくてごめん」
新山くんが悔しそうに目を伏せた。
なにそれうれしいかっこいい……じゃなくて、それこそ新山くんが謝ることではない。
悪いのはすべて秋道さんなんだから。
「あのあと大丈夫だったか?あんな変態に連れ去られて、気が気じゃなかったよ。追おうにも先生やら生徒やらに囲まれちまって……」
「ま、まぁなんとか。
新山くんも大変だったでしょ……アハハ」
心配してくれてたんだ……うれしい。
だなんて感動しつつ、作り笑い。
大丈夫かと言われれば、大丈夫ではないのが本音であり現状。
私を送り出した際の秋道さんの静けさは、嵐が始まる予兆のように思えてしょうがない。
気にかけてくれる人たちにどこまで話していいのか分からなかった。
巻き込みたくない
かといって、守る術がまだ思いつかない。
私はいったいどの道を選べば……



