病んだ心をつまびいて



しかし珍しく、すぐに返信がきた。




──『ごめんね、本当に忙しいの』

──『いつも寂しい思いさせて母親失格ね』

──『なにか悩み事でもあるの?』




淡々としている文。



寂しいかと言われれば、もちろん寂しい。

いつも家にひとりぼっちだから。


でも、母親失格だなんて思ったことはない。



またやってしまった。

お母さんは私を庇うために自分を卑下するクセがある。


やめてよ、お母さんは素敵な人なのに。


鼻の奥がつんとした。




「……悩みごと、か」



お隣さんの変態シンガーソングライターに会うたび変なことされて変なこと言われてついには脅迫までされてます。


なーんて言ったらお母さんひっくり返るだろうな。



だから言わない。言えない。


慣れない場所で頑張ってるお母さんに、これ以上負担なんてかけたくない。




──『悩みは今のところないよ!』

──『お母さん大好き。お仕事頑張ってね!』




送信して、画面を閉じた。



はぁぁと息を吐き出し、椅子の背にもたれる。


寄りかかったつもりが、結局なにも言えなかった。



『助けて』だなんて。



そもそも返信なんて期待してなかったから。


ただ、一番安心できる場所に、自分の存在を投じたかっただけ。



こりゃメンタルが相当追い詰められてる証拠だな。