「ほら、本題に入りたいので泣き止んでください」 痛々しい演出のためかグスングスンと顔を覆っているその手を掴んで剥がしてやる。 すると、そこから出てきたのは 表情の抜け落ちた顔だった。 また背筋がぞわりと冷たくなる。 漂う雰囲気が凍った。 「朝っぱらからどうしておれが訪れたのか。 茜ちゃんはそれが気になってるんだよね?」 ぜんぶ見透かされていたのか、秋道さんの唇の端がくいと上がる。 「釘を刺しにきたんだ」 芯まで響くような低い声。 両肩をやわらかく捕まえられる。