病んだ心をつまびいて



この人はゆるくてマイペース。
基本的に飄々としていて、掴み所がない。


だけど、少しでもその肌に触れてしまえば面白いほどわかりやすいんだ。



本人は、それに気づかず自らスキンシップをしてきているようだけど。




──その時、秋道さんの雰囲気が変わった気がした。







「………そうかもね」







低くて、柔らかいのに


ひんやりとした冷たさをはらんだ声。


まるで、知らない人が喋ったみたいだった。




「秋道…さん?」



依然、包まれている腕の中。
理由は分からないけど勝手に後退しようと動く私の体。


が、力を入れられたせいで、そんなこと許されない。