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「おはよう、瑶(よう)くん。
今日はいい天気だね!」

「…雨だけどな」



しゃっと開けたカーテンを、するするーっと戻される。

ベッドの上で寝ている瑶くんに、がんばって極限まで近づけてみた顔は、おでこを押されてヘンになった。


それでもどかないわたしに、ぐっと眉根を寄せる、この表情は………怒ってる。


急いでシュッと足を引く。



「もうちょっとマシな起こし方ないか?」

「へへへ」



あくびをしながら、ぐーんと背筋を伸ばす瑶くんを見て笑う。


外は雨だけど、気分がいい。

だって今日からまた、瑶くんにアタックできるんだから……!



「恋愛休止期間、無事終了しました!」



朝から元気に声を発したわたしを、いつものごとく、瑶くんが鏡越しに怪訝な顔で見ていた。