恋愛日和 〜市長と恋するベリが丘〜

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翌日午後。
胡桃は橘と、壱世、高梨、それに2名のSPとともにベリが丘保育園を訪問していた。

壱世にお遊戯を見せるため、子どもたちが部屋に集められている。

「外での公務だとSPがつくんですね」
「まあ念のためです。先日のパーティーにも、会場にはSPを配置していたんですよ」
高梨がメガネを触りながら答える。

(さすが、市長ともなると大変……なのはわかるんだけど)
胡桃は壱世と園児たちを見渡した。

「市長、それから高梨さん」
胡桃は二人に声をかけた。

「ジャケットを脱ぐことはできないですか?」
「え?」

「市長も高梨さんもSPの方たちも、背が高くて暗い色のスーツだから子どもたちが少し怖がってしまっている気がします」

胡桃と橘がカジュアルなパーカーにズボンという服装なのに対して、壱世たちは市庁舎にいるときと変わらない服装だ。
園児たちはどこか不安そうに壱世たちの方をチラチラと見ている。

「ああ、そうだな。わかった」
壱世はジャケットとベストを脱いだ。

「それと」
「まだ何か?」