恋愛日和 〜市長と恋するベリが丘〜

「大事なことなので、追加しちゃいました」
胡桃はペロッと舌を出す。

「さすが、なかなかやるな」
「みんなに誓ってください、市長」
胡桃はまた楽しそうに「ふふ」っと笑う。

「誓います」

壱世の力強い誓いの言葉が会場に響く。

それから壱世の考えた胡桃の誓いの言葉が、友人代表に読み上げられる。

「胡桃さん、あなたはこれから壱世さんとともに歩み、喜びも悲しみも、ともに本音で分かち合い、妻として壱世さんを愛し続けることを誓いますか？」

「誓います」

「そして——」
胡桃も驚いて壱世の方を見る。　
「気が合うな」
彼は笑っている。

「誰よりもベリが丘を愛する市民の一人として、これからも壱世さんにベリが丘の魅力を教え続けることを誓いますか？」

「壱世さんも、やりますね」
そう言って笑った胡桃の目に、涙がキラッと輝く。

「誓います」

そして二人は、両親や十玖子、ベリビ編集部の面々など、ベリが丘の人たちに見守られながら誓いのキスを交わして笑い合った。

その幸せそうな笑顔は、会場にいたすべての人にベリが丘の街の明るい未来を予感させた。

fin.