***
一年半後。
五月のある快晴の日。
ノースエリアにあるチャペル『Gardenia』にウエディングドレス姿の胡桃の姿があった。
純白のドレスは後ろの裾が長く広がるエレガントなAラインで、全体を花模様のレースが覆っているクラシカルで繊細なデザインだ。
ベールにも同じレースがあしらわれている。
隣には、白いタキシードを着た壱世が立っている。
二人はチャペルでの結婚式に、人前式の形を選んでいた。
胡桃が壱世の腕に手を添えて入場する。
「こうして手を添えて並んでいると、いつかのパーティーを思い出します」
胡桃は壱世を見上げてコソッと言って笑顔を見せた。
この一年半のうち、半年以上も副市長の不在期間があった。
その間壱世の業務は多忙を極めたが、副市長派の汚職議員が一掃されたこともあり、壱世の改革案は一気に進んだ。
それが市民からの支持に繋がることにもなった。
櫻坂の再開発については当然白紙撤回され、撤退を決めていた企業や店舗と市の話し合いが今も続いている。
さくらベーカリーなど戻って来られない店もあることを胡桃はとても残念がっているが、木菟屋の移転を阻止できたことには心底安堵していた。
壱世は櫻坂を再び盛り上げようと、フリーマーケットの復活を企画している。
『櫻坂マルシェ』として、商店街の店や、ビジネスエリアの新しい店などが協力し合って出店する予定だ。
一年半後。
五月のある快晴の日。
ノースエリアにあるチャペル『Gardenia』にウエディングドレス姿の胡桃の姿があった。
純白のドレスは後ろの裾が長く広がるエレガントなAラインで、全体を花模様のレースが覆っているクラシカルで繊細なデザインだ。
ベールにも同じレースがあしらわれている。
隣には、白いタキシードを着た壱世が立っている。
二人はチャペルでの結婚式に、人前式の形を選んでいた。
胡桃が壱世の腕に手を添えて入場する。
「こうして手を添えて並んでいると、いつかのパーティーを思い出します」
胡桃は壱世を見上げてコソッと言って笑顔を見せた。
この一年半のうち、半年以上も副市長の不在期間があった。
その間壱世の業務は多忙を極めたが、副市長派の汚職議員が一掃されたこともあり、壱世の改革案は一気に進んだ。
それが市民からの支持に繋がることにもなった。
櫻坂の再開発については当然白紙撤回され、撤退を決めていた企業や店舗と市の話し合いが今も続いている。
さくらベーカリーなど戻って来られない店もあることを胡桃はとても残念がっているが、木菟屋の移転を阻止できたことには心底安堵していた。
壱世は櫻坂を再び盛り上げようと、フリーマーケットの復活を企画している。
『櫻坂マルシェ』として、商店街の店や、ビジネスエリアの新しい店などが協力し合って出店する予定だ。



