その日、栗須の家を出た夕方、胡桃は櫻坂の近くを歩いてみることにした。
(櫻坂の周りのお店ばっかりって、どうして気づかなかったんだろう)
実際に歩いてみると、スポンサー撤退企業はどこも目と鼻の先だ。
(あ、ここは建物ごと無くなっちゃうからシモンさんもフィグさんも降りちゃったんだ。それにしても、編集長のカンもすごいなぁ)
『なーんか、おかしい気がするんだよなあ』
梅島は違和感を訴えていた。
そんなことを考えながら歩いていると、建物の脇に人影が目に入る。
「あれ? 高梨さん?」
背後から胡桃に声をかけられた高梨は驚いたような反応を見せる。
いつも冷静な彼らしくない。
「こんなところで何してるんですか?」
「いえ、とくに何というわけでは……。江田さんこそ」
「私は壱世さんのご実家にお邪魔した帰りです」
「そうですか……」
(さっきから、何か気にしてる?)
胡桃は高梨が見ていた方に目をやる。
そこにあったのは、休業日の木菟屋だった。
「木菟屋さん、今日はお休みですよ」
(櫻坂の周りのお店ばっかりって、どうして気づかなかったんだろう)
実際に歩いてみると、スポンサー撤退企業はどこも目と鼻の先だ。
(あ、ここは建物ごと無くなっちゃうからシモンさんもフィグさんも降りちゃったんだ。それにしても、編集長のカンもすごいなぁ)
『なーんか、おかしい気がするんだよなあ』
梅島は違和感を訴えていた。
そんなことを考えながら歩いていると、建物の脇に人影が目に入る。
「あれ? 高梨さん?」
背後から胡桃に声をかけられた高梨は驚いたような反応を見せる。
いつも冷静な彼らしくない。
「こんなところで何してるんですか?」
「いえ、とくに何というわけでは……。江田さんこそ」
「私は壱世さんのご実家にお邪魔した帰りです」
「そうですか……」
(さっきから、何か気にしてる?)
胡桃は高梨が見ていた方に目をやる。
そこにあったのは、休業日の木菟屋だった。
「木菟屋さん、今日はお休みですよ」



