「冷たい料理はそのまま撮りますけど、温かいものは冷ましてから撮りますね。あとからレタッチと湯気の合成でなんとかするんで」
「いつも思うけどそれ、もったいないよね」
「後で食べるんだからいいじゃないですか」
「でも、せっかくなら温かいうちに食べたいじゃない? 板前さんだってそういうつもりで作ってるわけだし。しかも今回は飯桐の料理だよ?」
胡桃は残念そうに言う。
「普通に食べたいんなら、市長に連れて行ってもらえばいいんじゃないスか?」
「えーそんな、贅沢だよー」
胡桃は手に持った飯桐の資料を見ながら返した。
(……ん?)
「えっ!?」
胡桃は顔をバッと上げて、キョロキョロと周囲をを見回す。
「なんで知ってるの?」
近くに他の編集部員がいないことを確認して、資料で隠すようにしながらヒソヒソ声で橘に聞いた。
「まさかバレてないと思ってたんですか? 市のイベントに行くたびに市長か高梨さんと話してるし、明らかに浮かれてるし、バレバレっスよ」
「会社の人には内緒なんだけど……」
「他の人たちは一緒に取材にも行ってないし、気づいてないと思いますけど」
橘の言葉にホッと胸を撫で下ろす。
「まあでも市長だって本気で秘密にしたいんなら、江田さんは選ばないんじゃないスか?」
「……橘くんて、すぐそういうこと言うんだから」
「いつも思うけどそれ、もったいないよね」
「後で食べるんだからいいじゃないですか」
「でも、せっかくなら温かいうちに食べたいじゃない? 板前さんだってそういうつもりで作ってるわけだし。しかも今回は飯桐の料理だよ?」
胡桃は残念そうに言う。
「普通に食べたいんなら、市長に連れて行ってもらえばいいんじゃないスか?」
「えーそんな、贅沢だよー」
胡桃は手に持った飯桐の資料を見ながら返した。
(……ん?)
「えっ!?」
胡桃は顔をバッと上げて、キョロキョロと周囲をを見回す。
「なんで知ってるの?」
近くに他の編集部員がいないことを確認して、資料で隠すようにしながらヒソヒソ声で橘に聞いた。
「まさかバレてないと思ってたんですか? 市のイベントに行くたびに市長か高梨さんと話してるし、明らかに浮かれてるし、バレバレっスよ」
「会社の人には内緒なんだけど……」
「他の人たちは一緒に取材にも行ってないし、気づいてないと思いますけど」
橘の言葉にホッと胸を撫で下ろす。
「まあでも市長だって本気で秘密にしたいんなら、江田さんは選ばないんじゃないスか?」
「……橘くんて、すぐそういうこと言うんだから」