「本当はもっと早く触れたかった」

首筋に彼の唇と鼻先が触れ、ピアスがシャランと揺れる。
彼の骨ばった大きな手に背中や太腿のラインをなぞられ、身体がビクンと反応する。

「ん、立って……られない、です」

壱世は涙目で見つめる胡桃にクスッと微笑みかけると、胡桃を掬い上げるように抱き上げた。
お姫様抱っこで運ばれ、大きなベッドの上に優しく下ろされる。

上体を起こした自分に覆い被さるように見下ろす壱世に、胡桃は頬を赤らめて上目遣いに視線を送る。

「あの……」
「ん?」

「さっき、ちゃんと言ってない気がして」
「何を?」

「えっと……」
胡桃は一拍置いて口を開く。

「私……壱世さんのこと、好きです」

彼はまた、嬉しそうに優しく微笑んで唇を重ねる。

「俺も好き」

壱世は指の背で胡桃の頬に優しく触れ、そのまま唇に触れる。
彼の熱をもっと近くで感じたくて、胡桃は壱世の首に手を回した。


翌朝目を覚ました胡桃の左手薬指には、立て爪のダイヤモンドリングが輝いていた。
驚いて壱世を見ると愛の言葉を囁かれ、また甘やかに蕩かされる。

「かき氷、行けなくなっちゃいます……」

イタズラっぽく笑う彼に唇を塞がれる。