「泣くの嫌いなのに……」
壱世は胡桃を抱きしめ、「よしよし」と宥めるように頭を撫でた。
「……でもひどいです」
グスッと泣きながらつぶやく。
「え?」
「今日は、お別れだって思ってたから……最後の方は悲しくなってしまって、料理の味が全然わからなかった。こんなに幸せな気持ちになるなら、最初に言ってほしかったです」
「悪かった。だけど君の考えは他の誰より予想できないから、俺だって不安だったんだ」
胡桃は顔を上げて「信じられない」という表情で壱世の顔を見た。
「私なんて、こんなに単純なのに」
「俺には難しいんだ」
彼はまた苦笑いだ。
「……だけどフォアグラが乗ったお肉も、塩キャラメルのムースも、今の気持ちで食べたら何倍もおいしかっただろうなぁ」
胡桃らしい幸せな気持ちの表現に、壱世は思わずクスッと笑う。
「また連れてくる」
そう言って、また胡桃をギュッと抱きしめた。
「胡桃、明日は何か予定入ってる?」
「……明日は、朝から失恋ヤケ食いかき氷ツアーの予定でした」
彼は「はは」と笑う。
「いいな、かき氷。けどそれ、俺と行くんじゃだめか?」
「え、それは全然構わないというか嬉しいです、けど……?」
壱世は胡桃の顔をクイッと自分の方に向ける。
「今夜、ずっと一緒にいたい」
壱世は胡桃を抱きしめ、「よしよし」と宥めるように頭を撫でた。
「……でもひどいです」
グスッと泣きながらつぶやく。
「え?」
「今日は、お別れだって思ってたから……最後の方は悲しくなってしまって、料理の味が全然わからなかった。こんなに幸せな気持ちになるなら、最初に言ってほしかったです」
「悪かった。だけど君の考えは他の誰より予想できないから、俺だって不安だったんだ」
胡桃は顔を上げて「信じられない」という表情で壱世の顔を見た。
「私なんて、こんなに単純なのに」
「俺には難しいんだ」
彼はまた苦笑いだ。
「……だけどフォアグラが乗ったお肉も、塩キャラメルのムースも、今の気持ちで食べたら何倍もおいしかっただろうなぁ」
胡桃らしい幸せな気持ちの表現に、壱世は思わずクスッと笑う。
「また連れてくる」
そう言って、また胡桃をギュッと抱きしめた。
「胡桃、明日は何か予定入ってる?」
「……明日は、朝から失恋ヤケ食いかき氷ツアーの予定でした」
彼は「はは」と笑う。
「いいな、かき氷。けどそれ、俺と行くんじゃだめか?」
「え、それは全然構わないというか嬉しいです、けど……?」
壱世は胡桃の顔をクイッと自分の方に向ける。
「今夜、ずっと一緒にいたい」



