「市長って呼んだらキスするって前に言ったよな」
壱世はイタズラっぽい顔をする。
それでも胡桃の頭はまだついていけない。
「壱世さん……私のことが好きなんですか?」
ボーっとした表情で彼を見る。
「ああ」
(嘘……いつから?)
「嘘なんかじゃないし、あの時は言えなかったけど多分、最初にキスした時から惹かれてた」
声に出したつもりのない質問に答えられ、しかも予想外の答えだったことにまた呆然とする。
「え? だってスペック……」
頭が回らずに繰り返す胡桃に壱世は苦笑いを浮かべる。
「俺が間違ってた。俺も今は結婚相手はこれから先の人生を楽しくしてくれる人がいいと思ってる」
「本当ですか?」
「俺が今求めてるスペックは、明るくて、自分にも他人にも正直で、ときどき心の声が漏れて、ものすごく食べ物に弱くて」
「ものすごく……」
一瞬顔をしかめる胡桃に、壱世は優しく笑う。
「何事も楽しむっていうポジティブさがあって、それに何よりベリが丘が大好きってことだ」
胡桃の頭がようやく追いついてきた。
「……そんなハイスペックな人間、私しかいないと思います」
「そうだな」
彼は笑って頷く。
壱世はイタズラっぽい顔をする。
それでも胡桃の頭はまだついていけない。
「壱世さん……私のことが好きなんですか?」
ボーっとした表情で彼を見る。
「ああ」
(嘘……いつから?)
「嘘なんかじゃないし、あの時は言えなかったけど多分、最初にキスした時から惹かれてた」
声に出したつもりのない質問に答えられ、しかも予想外の答えだったことにまた呆然とする。
「え? だってスペック……」
頭が回らずに繰り返す胡桃に壱世は苦笑いを浮かべる。
「俺が間違ってた。俺も今は結婚相手はこれから先の人生を楽しくしてくれる人がいいと思ってる」
「本当ですか?」
「俺が今求めてるスペックは、明るくて、自分にも他人にも正直で、ときどき心の声が漏れて、ものすごく食べ物に弱くて」
「ものすごく……」
一瞬顔をしかめる胡桃に、壱世は優しく笑う。
「何事も楽しむっていうポジティブさがあって、それに何よりベリが丘が大好きってことだ」
胡桃の頭がようやく追いついてきた。
「……そんなハイスペックな人間、私しかいないと思います」
「そうだな」
彼は笑って頷く。



